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1段階終了時間にして自分でもびっくりするくらい大きな間違いをしでかしてしまった。
万次郎も私の行動に驚くとともに予想以上の運転音痴さに頭を抱えていた。 大特はその後も大きくふらつきながら外周を右に左に走行していた。そういえば今日はスタートからダメダメモードだった。更に気がつくと雨も降り始め路面にはところどころ水たまりができている。そのためかふらつきも更に大きくなっていた。万次郎に「今日は雨でダメダメモードみたい。」と話をした。万次郎は運転センスの問題を天候のせいにした私に呆れながら笑っていた。 1段階の課題に、ふらつきのほか「坂道、カーブ等でエンジン・ブレーキを確実に使用できること」とあるが初めて大特に乗ったときから万次郎に何度も「ブレーキ」、ブレーキを踏むよう指示されていた。自分でも不思議だが大特を運転しているとブレーキを踏むことを忘れてしまう。もちろん停止するときにはちゃんとブレーキを踏むのだがコーナや右折、左折、S時、クランクなどスピードをコントロールする場面ではまったくブレーキを踏まない。私のスピードコントールはアクセルを踏むか踏まないかの二者択一であった。こんな私の運転に万次郎は「じゅんぺいはどうしてブレーキを踏まないのだ。じゅんぺいの走りは突き進むだけの特攻隊だ・・・。速いスピードで曲がるからふらつきも大きくなるんだよ。」と言いながら更に頭を抱えていた。 本人も頭を抱えていた。どうしてだろう・・・。なぜブレーキを踏まないのだろう・・・。 自分なりにじっくり考えてみた。 問題なのはブレーキを踏もうとする意思がないことである。なぜブレーキを踏もうとしないのか考えてみると・・・。 あっ!!思い当たるところが一つ見つかった。 大特は重量が重くスピードが出ない。思いっきりアクセルを踏んだとしてもがんばってもスピードは20km。その上、いかにも重そうに走るのでスピードは実際のスピードよりも更に遅いように感じる。このため曲がるときにもアクセルとハンドルで対応しようとしていた。しかし実際のところ遅いといいながらも大特の重量など考えれば曲がるときにはブレーキが必要なのは明白である。ブレーキを踏むことができないのは大特の重量とスピード感覚がわかっていないためであるからだった。 自分なりに原因を突き止めることができたが直すことができるかは別問題。なぜなら運転音痴の私にはスピード感覚を理解してそれに応じた運転をすればよいといってもいくら走ってもスピード感がわからない。もし理解していれば既にブレーキを踏んでいるはずである。そこで自分で考えた対処法。目印教習ではないがカーブにきたら心の中で「ブレーキ」と呪文を唱えることにした。これでなんとか「エンジン・ブレーキ以外のブレーキを確実に使用できること」の課題はクリアだ。 時間は刻々と過ぎてゆく。 万次郎は「次のクランクに入って止めて」と言った。気がつくと既に終了時間に近づいていた。周りの教習車も続々と終了場所に集まり始めていた。 万次郎の言われたとおりクランクに入り駐車し、バケットを下ろしエンジンを切った。万次郎は印鑑を片手に教習簿をひろげ1段階の課題を読み上げた。悩みながら教習簿のみきわめ実施者の箇所に印を押し更に悩みながら「良好」に○をした。そして「次からは2段階だからな。受付にある検定コースを覚えるように・・・」と言った。 運転音痴の私は普通、二輪ともに規程の時間で終了した段階は一度もなかった。規程の時間で終了したのは3車種目にして初めてのことだった。 運転音痴の私にとって今日は記念すべき日であった。 つづく・・・ |
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