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長年あこがれていたバケットの操作は教習開始15分で終了してしまった。あまりの早さに物足りなさを感じたがこれは仕方がない。
なぜなら・・・。 自動車学校は公道を走るための練習を行う場所である。公道を走る際にバケットをぐるぐる回したりすることはない。バケットの動作は走行中、邪魔にならないように動かすことができれば教習所ではOKなのである。 自動車学校の本来の目的を考え気持ちを入れ替え教習を受けることにした。 いよいよこれからこの重たい車両を動かす。 ハンドルの持ち方の説明を受け、エンジンをかけアクセルを踏んだ、ガァーガァーという音と大きな振動が体に伝わるなか大特は重そうにゆっくりと動き始めた。重量があるせいかアクセルを踏んでもなかなかスピードがでない。 大特には普通車と違いハンドルにノブがついている。そのノブを左手で持ちハンドルを回す。普通車ではハンドルを両手で持つのが正しい姿勢であるが大特は片手操作が正しい姿勢である。 両手も片手も大差はないように感じると思うが運転音痴の私にとってはこの片手操作がなかなか難しい。使用しない右の手をどこに置けばいいのか・・・やり場のない右手がハンドル操作の邪魔をする。そして、時々おこる上下運動、振動が更にハンドル操作の邪魔をする。 この揺れは何? 私の運転のせい? 「あ〜、揺れる」とつぶやきながら運転していると万次郎が「路面が悪いところはどうしても振動がくる。これは仕方がない。」と言いながらハンドルを補助する。 この振動は運転センスではないのだとほっとしていると万次郎は続けて「大特でこれだけ補助ハンドルしなければならない奴はいないよなぁ〜。まるで普通車の教習をしているようだ。」と呟いた。センスがないのは今始まったことではない補助ハンドルされるのは想定内のことである。万次郎の言葉をさらりと流しアクセルを踏んだ。 外周走行を終了しクランク、S字と進み、コース内の踏切に差し掛かった。もちろんこの踏切は擬似的なものでいくら踏切の前で待っていても電車がくるわけでも遮断機が降りるわけでもない。どうせなら遊園地にある電車くらい走らせてもらいたいと思う。そのほうがよりリアルであり実情に近い教習にもなるのではなかろうか…。 踏切通過の練習では音確認が必須である。大特の場合、窓を開けることが困難なため音確認は運転席側のドアを開閉することになっている。運転席側のドアといっても運転席は真ん中でドアから離れている。必然的にドアの開閉には体を乗り出す必要がある。身長150センチ少々の小柄な体系では身を乗りだすと自然にブレーキから少し足が離れるらしい・・・。ドアを開けようと身を乗り出したとき万次郎が「動いている!!(停止状態を維持できない)」と叫んだ。 ? 私にはわからなかった。 ぐるりとコースを回りもう一度、踏切にやってきた。 音確認。「動いている!!」と万次郎がまた叫んだ。 ?? やっぱり私にはわからなかった。 そして再度、踏切にやってきた。 音確認。「動いている!!」と万次郎がまたまた叫んだ。 ??? 私には動いている感覚がわからなかった。万次郎はみかねて「わかるだろう?」と尋ねたが「わからない。」と私は答えた。その言葉に万次郎は困惑していた。 その後も何度かトライしたが100%、動くらしい… 大特は二輪車のように倒れることはない。 セミオートマであるため普通車ミッション車のようにエンストすることもない。 しかし、大きな振動と大きな音によるものかは不明だが私には大特の微妙な動きがわからないという運転音痴らしい課題が発生した。 大特教習1時限目は新しい課題の発生とともに終了した。 つづく・・・ |
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