第42回 想定外でありながら想定内の失敗
検定は散々な結果で終了した。まさか坂道でエンストするとは…残ったのは脱落感だけだった。
肩を落とし二輪棟待合室を後にした。
同じグループ(パジェロ先生担当)で検定を受けた男の子が「どうでしたか?」と聞いてきた。
「坂道でエンストして後退した上にエンジン止めないで下車してしまいました。」と答えた。彼は「大丈夫ですよ。」と慰めの言葉を私に言った。そんな慰めの言葉なんか…大丈夫ってどんな根拠からなのよ〜と思わず言ってしまいそうになったがぐっとこらえ「そちらはどうでしたか?」と問いかけた。
「スラロームが…」と言っていた。彼も私と同じく肩を落としていた。
 
ロビーに戻り待合室からコースを眺めていた。コースではまだ他の人が検定をおこなっていた。
パジェロ先生がやってきた。
パジェロ先生は担当した受験生を集め全体の総評を行った。その後、個別に気をつけたほうがよい点などを話した。
私の番がやってきた。「次はじゅんぺいさん。一本橋は5秒で通過していました。今日のような風のある日はこのくらいで走行したほうがよいでしょう。あまりゆっくりだと風で落ちてしまう場合もありますので…。ところで坂道ではどうされましたか?」と聞かれた。
知ってるくせに…と思いながら「エンストしてしまいました。」と答えた。パジェロ先生は「そうでしたか…。でも、あそこは大きな減点になっていませんから…。それよりも西の交差点を左折するとき右の合図を出していましたがどうされました?」と聞かれた。「えっ!!」私は驚いた。合図の出し忘れ、止め忘れはあったとしても右左の間違いをしていたとは想定外だった。ますます落ち込んだ。
最後にパジェロ先生は「全体としては良くできていましたよ。」と言い私の講評を終えた。
今更、よく出来たといわれても不合格は確実でしょ。気休めにしかならないよ!!と心の中で叫んだ。
 
まだ、結果発表まで時間がある。
知り合いの社員が「どうだった?」と聞いてきた。「坂道エンスト、後退、最後、エンジン切らずに下車したうえに右と左の合図を逆に出してしまった。」と明確にわかっている失敗を全て伝えた。
「後退はどのくらいした?ちょっとなら大丈夫、少し長めなら…、大幅なら×」と言われた。どのくらいと聞かれても気が動転していて下がった距離などわからない。
短かったといえば短いような…長かったと言えば長いような…。そもそも坂道であたふたしたときその時間が私には1時間以上にも感じていた。そのような状況で下がった距離を正確に覚えているわけがない。真実を知っているのはパジェロ先生のみである。
知り合いにあうたびに皆、同じことを聞き、同じことを答えると、同じことを言った。
 
坂道での後退は減点項目では「逆行」として減点される。逆行は「大」「中」「小」にわかれている。減点方法は「大」は中止。「中」は20点減点。「小」は10点減点となっている。私の逆行はどれなのだろう…。
ちなみに合図の左右の間違いは「右左折合図しない」という減点項目になる。合図の右左の間違いの行為は想定外だったが減点項目である「右左折合図しない」は想定内の減点であった。
 
次の検定日をいつにするか考えながら結果がでるのを静かに待合室で待っていた。
 
 
つづく…

テーマ:自動車教習所 - ジャンル:車・バイク

【2005/12/22 20:00 】 | 二輪体験記 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑

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