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11時限目の予鈴が鳴った。いつものように挨拶を行った。いつもと変わらない挨拶だが私の心境は微妙にいつもと違う。これが最後の挨拶になるだろうか…。
万次郎が探してくれた長靴を履きバイクに乗った。バイクは前の時間に使用したブレーキの効きが良い試験車両。エンジンをかけ発進した。 万次郎の顔には笑顔はなかった。もちろん私の顔にも…。 魔の場所であるクランクに向かった。 クランクに入った。いきなりガックン!!エンストした。 前の時間とまったく同じだった。 万次郎の顔が強張った。 私は泣きたい気持ちでいっぱいになった。 万次郎は練習するコースを変更すると説明した。 本来ならクランクを通過したあと一旦停止をして踏切、その後、S字を通過するのだがクランクを通過したらそのままS字を通過し、またクランクに戻るコースにした。 「気がすむまで、やってろ!!」と万次郎は言い放った。 万次郎の顔は真剣だった。 万次郎とは長い付き合いだが、こんな顔、初めて見た。 このままではみきわめ判定は×。そんなオウラが万次郎から出ていた。 気合を入れなおし練習を始めた。 小さくなった長靴だがやっぱり運転するには不向きだった。ブーツのときよりオーバーアクションをしながら動かすうえ、更に、ブレーキを踏まないように気をつけなければならない。 足に手に神経を使いながら何度もクランクを通過した。 練習の成果は少しづつでてきた。100%のエンストから70%のエンストへ、そして更に…。 私自身も少しづつ慣れてきてだんだん自身もつき始めた。 S字を通過するときは車体も傾くようになってきた。よしよしいい感じと思い万次郎の顔をみた。 万次郎の渋い顔は変わっていなかった。何も言わずにずっと私の走りを見ている。何も言わないところが怖かった。 このままずっとこの練習をしているのだろうか… 声をかけたほうがよいのだろうか… 色々なことが頭をよぎったがいつもと違う万次郎に声をかけることが出来ず笑顔なくただひたすら練習をしていた。 やっと、万次郎から声がかかった。 「もう、いい。これから二輪棟コースに行って。1コースの練習をするぞ。ええな。」 なんだかちょっとほっとした。万次郎の顔もいつもの顔に戻っていた。 ここからが本番。みきわめ判定に向けての最終テストが始まる。 つづく… |
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